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【GDO TALK Vol.8】「お客さま目線が磨かれる」――NPS(ネットプロモータ―スコア)は企業に何をもたらすか?

「お客様体験デザイン本部」という部署がある。その名の通り、GDO(ゴルフダイジェスト・オンライン)のサービスでゴルフ場予約をするときや買い物をするとき、さまざまなシーンにおけるユーザー体験を感動レベルに引き上げるにはどうした良いかを日々考えている部署だ。お客さまの求めていることは一人ひとり異なる。それらを多様な方法を使って拾い上げ、日々改善を重ねていく。だが、改善活動の結果、本当にお客さまの体験は良くなったのか? 今まではそれを正しく把握するすべがなかった。この現状を打破しようと立ち上がったのはユーザー体験設計を手掛ける奥井夏子だ。彼女が語る“お客さま目線が磨かれる”指標づくりを聞いた――。


奥井夏子:お客様体験デザイン本部 UX(ユーザーエクスペリエンス)推進部 UX企画チーム スペシャリスト。前職でインフォメーションアーキテクトとして、UX・コンバージョン改善のコンサルティングを行ってきた経験をもとにGDO全体のUX企画を推進している。趣味は、旅行・お笑い・音楽・映画で、好きなお笑い芸人は「東京03」。尊敬する人は、「ウディ・アレン」。

「NPS(ネットプロモータ―スコア)のことを知ったのは、2014年ごろだったと思います。NPSというのは、この商品・サービスを親しい友人や家族にどの程度すすめたいと思いますか? という簡単な質問でスコアを測るもので、顧客ロイヤルティを数値化する指標です」と、まずはNPSの定義について解説する奥井。この指標のポイントは、お客さまの現状の満足度を測るだけではなく「他者にすすめる」という未来の行動を点数化しているところにある。今後の収益性と連動すると考えられている理由だ。奥井はこの指標に出会ったとき、NPSの思想のもとになっている「お客さまの喜びの先に売上がある」という考え方に強く共感したという。

「GDOには“客心”という言葉があり、お客さま目線を常に意識して喜ばれるサービスを創ろうという思想があるのですが、それを明確に測るスキームが今までなかった。そこに課題を感じていました。サービスを改善するための手法・手段はいろいろと試してきていましたが、それらの善し悪しを測る“ものさし”がなかったんです」と当時を振り返る。


お客さまの喜びを測るための“ものさし”を持つことは重要、と話す奥井


NPSが最初に提唱された米国市場では2010年ごろに大手企業での導入が相次いだ。2~3年程度遅れて情報が入ってきた日本でも、関連するセミナーが年々増えていった。奥井も早くから外部のセミナーで情報を集めていたが、初期のころにはガラガラだった席が2017年に入るころには「満席」が珍しくなくなったという。「お客さまの満足度と収益の相関を測るNPSという指標があり、これをGDOに取り入れてみたい」と役員に話をしたのはこの頃で、遅れてはいけないという危機感も背中を押した。

企業ではとかく新しい手法や指標を取り入れることに時間がかかりがちだ。その点ではGDOは、お客さまのためになることであれば、新しいチャレンジは厭わない。役員から「よし、やってみよう」とすぐにGOサインが出た。そこからの奥井の行動は早かった。即座に企画書を作り、部門長に話を通し、役員会での承認まで一気に進んだ。実行するまではそう時間はかからなかった。

だが、本当に難しいのは実行だ。NPSは「この商品・サービスを親しい友人や家族にどの程度すすめたいと思いますか?」というシンプルな質問から導き出されるスコアをもとに課題を見つけ、改善を重ねていく手法である。簡単なように思えるが、GDOには複数事業が存在し、さまざまなお客さまとの接点がある。ニュース記事だけを読みに来る人もいれば、ゴルフ場の予約だけを使っている人もいる。予約をして買い物もするが、記事を配信していることを知らない人もいる。


ゴルフに関するワンストップサービスを展開するGDO。お客さまの利用方法も千差万別


多様なパターンのお客さまがいること、「ゴルフ」に関することなら何でも総合的にサービスを提供していること――そのような事業構造の特徴を正しく理解し、かつNPSという手法を熟知したパートナーが必要だった。何人ものパートナー候補と話をして「これぞ!」と思う人を慎重に見定めた。そして、知らない人にとっては、海のモノとも山のモノともつかない指標作りに協力してくれる部署探し。過去にさまざまな改善手法を一緒にチャレンジしてきた経緯のあるゴルフ場予約サービス部門と調査を開始することに漕ぎつけた。

ひと口に「予約サービス」といっても、お客さまが予約を完了するまでに体験するステップは多種多様だ。プランの数、価格、スタート時間枠、クーポン、口コミ、コールセンター。お客さまが使ってみて「満足だ」と感じたポイントや「改善してほしい」と思うポイントを洗い出し、NPSとの相関関係を見ながら改善の優先順位をつけていく。お客さまとの接点を改めて洗い出すと驚くほど多くの項目があるが、重要度や優先順位とともにビジュアル化していくと、まるで素晴らしいサービスに行き着くための地図ができていくかのようでワクワクしてくる。


ゴルフ場を予約する方法にも色々なやり方が。その分だけお客さまとの接点が存在する


最初は「難しくて、よくわからない」と言っていたメンバーも「ここを改善すると、お客さまに喜んでもらうことができ、最終的には会社の業績も上がる」という事柄が見えてくると次第に熱量が高まってきたという。「私は、前職でWEBサービスを改善するためのコンサルティングを仕事にしていました。さまざまな企業のサービス改善に関わってきたので分かるのですが、GDOは社風として“お客さまの喜びを追求したい”という気持ちを持っている社員が多いと感じます。だからこそ、このNPSという指標はこの会社にハマるな、という予感がありました。思った通りでしたね」と、奥井はうれしそうに振り返る。

「お客さまの喜びを追求しよう!」と毎朝こぶしを振り上げて斉唱しているわけではない。むしろ、そういった思想について社員同士が面と向かって話すことは少ないかもしれない。ただ一つ言えることは、自分たち自身が「ゴルファー」として楽しんでいるという社員が多いということ。周囲の熱に感化されて“ゴルフの楽しさ耳年増”になっているゴルファーではない社員も多いということ。当事者として、理解者として「こうなったらいいのに」「こんなことできたら、もっと楽しくなるのに」という気持ちが湧き上がってくるからこそ、ことさらに「お客さまの喜びを追求しよう!」なんて言わなくても自然とそちらの方向に向かっていくのかもしれない。


GDO“お客さまの喜びを追求したい”という気持ちがある社員が多い、と力強く語る


奥井の奮闘もあって、GDOでは約2年がかりで定着、浸透し始めた「NPS」という指標。来年もこの“ものさし”を使って、もっともっとゴルファーのかゆいところに手が届く、ゴルファーを楽しませるサービスを目指していくことになる。指標としてのNPSは企業に何をもらたらすだろう? 奥井はすこし考えて「“お客さま目線が磨かれる”んじゃないですかね」と答えた。「GDOはもともとお客様想いの社員が多いけど、この手法を取り入れたことで正しい順序で、より深く追求していける土台が整ったんじゃないかな、と思っています」。

技術や思想を“磨いて”いくこと。それは努力をやめないことでもあり、正しい方向を向き続けることでもある。これからも私たちGDOは、「お客さまの喜び」を追求する姿勢と想いを磨き続け、最上級のサービスをお届けするために努力を続けていく。

(文・Golf Links the World編集部/星 写真・角田慎太郎)

 

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