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【GDO TALK Vol.7】“出口から考える”ことを学んだ半年間。二度目のチャレンジに挑んだ、新卒三年目の「会社員プロゴルファー」への道

長く「公務員ランナー」として数々の戦績を残してきた川内優輝選手が、120年の歴史を誇るボストンマラソンで優勝した。実業団に所属する選手と比べて、圧倒的に練習に割ける時間が少ない環境下で成績を残した川内選手は称賛を浴びた。GDOにも「会社員プロゴルファー」を目指して奮闘する、一人の青年がいる。小学生のころからゴルフ一筋に打ち込んできた彼にとって、プロテストは目指してきた目標のひとつだ。もちろん、会社員としてフルタイムで仕事をしながらの挑戦は、簡単とは言えない。2018年度PGA第2次プロテストを終えた、高木康誠に話を聞いた。


高木 康誠(たかぎこうせい):ゴルフ場ビジネスユニット コンタクトセンター推進グループ。愛知県出身の24歳。ゴルフ歴は約13年、ベストスコアは67。小学校6年生で父の勧めで「坂田塾」に入り、高校卒業まで坂田信弘プロに師事。ゴルフ以外のスポーツ歴はサッカーとボクシング。GDOに新卒入社し、今年で3年目。入社2年目で自身の所属するコールセンターを舞台にしたコントを自作し、全社員の前で披露して大ヒットさせたのは、ちょっとした自慢。特技は“そこそこ長めの棒をおしゃれに回す”こと。

坂田信弘プロ主宰「坂田塾」こと、坂田ジュニアゴルフ塾東海校に入塾したのは小学校6年生の時。息子をなんらかのプロスポーツ選手にしたいと思っていた父が、ドキュメンタリー番組で同校の指導方針に感銘を受け、「プロゴルファー」に照準を絞ったのだ。中学校、高校の6年間は学校の部活動はほとんどせず、土日も返上で週7回を坂田塾の活動に充てた。大学はスポーツ特待生として兵庫県の大手前大学に入学し、ゴルフ部の活動に学生時代のすべてを注いできた。

GDOに入社したのは、「ゴルフに関連する仕事ができると思った」から。大学卒業後に就職せず、プロを目指すという道も考えたが、自分のレベルや将来トッププロとして“食べていく”ことの厳しさを踏まえ「就職する」という道を選んだ。「息子がプロゴルファー」という夢までも見た父だったが、「プロになるだけがゴルフじゃない」と言って就職することを後押しした。


大手前大学ゴルフ部時代。学生時代はゴルフ一色の生活だった


それでも、12歳から心血を注いできたゴルフの集大成として「プロテストを受けたい」という気持ちは心の中から消えなかった。上司の「せっかくだから受けてみなよ」という言葉に背中を押され、2017年に1度目の受験。その年はプレ予選を通過したものの、1次で終わった。2018年度は、会社から公式サポートを受けてリベンジを狙った。本人になぜ2度目の受験を決めたのかを聞いた。「2017年の年末に受けようと決めました。その年の12月に部対抗ゴルフ選手権でユニット長と一緒のチームで回ったのですが、そのときに『お前、今年も挑戦しろよ』って言ってもらって。それ以外にも周りの方々が皆応援してくれていたんですよね。それで・・・今ここで僕がそれを断る理由って何かな?と思って。断る理由ないよな、と思い決断しました」

決断をした当時、まだ社会人2年目。「まだまだ仕事で覚えることもたくさんありますし、全然慣れていない。むしろ仕事だけで精一杯なことの方が多かった」と話す。その道に進んだ同級生たちは、すべての時間をゴルフに注いでいる。それを考えると焦る気持ちもあったが、仕事以外の限られた時間で結果を出すために「無駄な練習はしない」ということを意識した。無駄な練習とは?と聞いてみると、こんな答えが返ってきた。


必要がある練習としなくてもいい練習、すべてを自分で判断しながら取り組んだ


「大学までは、環境が整いすぎていました。時間はあり余るほどにあったので練習し放題、ラウンドし放題。やらなくてもいい練習、やった方がいい練習なんて考えたこともありませんでした。でも今は、技術的な練習でする・しないを決めるのも勿論なのですが、これまでは特にしてこなかったメンタルトレーニングの勉強もしています。交感神経と副交感神経のバランスのとり方をはじめとした緊張との向き合い方などですね。

あとは、ちょっとこじつけかもしれないですが、仕事もメンタルトレーニングの一種だと考えるようになりました。例えばアンダーで回るためには何をどう練習すればいいのか?を考えるのと、予算があって昨年比X%を達成するために何をしなければいけないか?と考えるのは同じだと。“出口から考える”という思考を仕事を通じて身につけているのだ、そう思った時にゴルフの道に進んだ同級生より練習量が圧倒的に足りない、という焦りがなくなりました」


「練習したいのにできない、と思う考え方を変えてみました」と話す


“出口から考える”という思考。それは仕事をしながらプロテストに合格する、という目標を持ったことで学べたと話した。そんな二度目のチャレンジとなった2018年度PGA資格認定プロテストでは、前回からひとつコマを進め1次を通過し2次に挑んだが、その壁は高かった。「1次だとスコア80台あたりを出す人もいたりするのですが、2次は本当にレベルが高くて。1次とは求められているハードルが違いましたね。狭いホールでもドライバーを使ったりする周りの受験者を見て『あぁ、皆リスクを取って攻めてるな』と感じました」とプロテストの緊張感を振り返った。

来年また挑戦する?という問いかけに対しては「うーん・・・皆さんにまた挑戦しなよって言って頂いているのですが、まだ気持ちは固まり切らないですね。今は一旦終わって、気が抜けてしまっていて」と、苦笑いした。もし将来的にプロ資格を取得することができたら、何がしたい?とさらに聞いてみると、「具体的ではないのですが、プロ資格を取ってGDOで活動している方は他にはいないと思うので、そういう社員として自分にしかできないことをやってみたいなとは思いますね。また、今ゴルフに打ち込んでいる人たちや後輩たちに“こういう道もある”ということをモデルケースとして示せたらとも思います。会社に勤めながらプロテストを受けてみて自分自身も学んだことが多かったので」


「来年のチャレンジは・・・未定です」と苦笑い


「公務員ランナー」川内選手は、埼玉県庁に入庁しフルタイムで勤務をしながら、主に週末を活用して世界中のレースを走っているのだという。『公務員ランナー川内を侮った人は反省しろ(PRESIDENT SPORTS)』という記事に川内選手のこんなコメントがあった。「(中略)仕事に集中することで、競技にも集中できる。効率のよい練習というのは、仕事のおかげで身についた部分も大きいと思います」。社会人となり、今までとは違う環境でプロテストに挑んだ高木の「仕事もメンタルトレーニングの一種だと考えるようになりました」という言葉とそれが重なるのは、私だけだろうか。「会社員プロゴルファー」の誕生時期は今のところ未定である。

 

(文・Golf Links the World編集部/星 写真・角田慎太郎)

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