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INTERVIEW

リテールビジネスユニット ユニット長

渡辺 貴正

インタビュー

「ゴルフ専業だからこそ、気がつけるサービスをつくりたい。」GDOは2000年の創業以来、インターネット販売(EC)を中心としたゴルフ用品販売を主事業の一つとして営んできた。新品約12万点、中古品は約4万点を取り揃え、インターネットでゴルフ用品を専門に販売するECサイトとしては現在国内No.1(2017年12月末時点)。“ゴルフ専業”ならではの「かゆいところに手が届く」サービスを日々追及するGDOのリテールビジネスユニットを統括する渡辺貴正に話を聞いた。

渡辺貴正(わたなべたかまさ)

アパレルショップ・飲食店経営など異色の経歴を経て、2008年に株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン入社、ゴルフ場ビジネスユニットにて法人向け営業職、営業マネージャー、企画部部長を歴任。在籍時にはゴルフ場のメディア化、広告商品開発を行う。2017年よりリテールビジネスユニット ユニット長に就任。

――ECの世界には競合他社が多く存在し、非常に競争が激しい領域です。そんな環境のもと、GDOとしてどんな戦い方をしているのでしょうか。

現在GDOショップは、ゴルフ用品専門ECサイトとして新品約12万点、中古品は約4万点を扱っており、ゴルフカテゴリにおいて圧倒的な品揃えを誇っています。
また、ECサイト以外のリアルなタッチポイントとして主に中古品を扱う販売店が関東に5店舗、フィッティングによるクラブ販売も行っているレッスンスタジオが全国10店舗(2018年3月末時点)存在します。あわせて中古品に関しては、下取りのサービスも行っており、古いモノを売って新しいモノを購入することが可能で、そこが大手総合ECサイトとの差別化ポイントになっています。

通常のネットショッピングでしたら、「ほしい」と思った瞬間にサイトを見てお買い物をし、購入が完了すれば離脱しますよね。しかし、GDOは用品販売以外にゴルフ場予約、メディアというゴルフに関する他のサービスがあります。記事を見てクラブを買い、新調したクラブでプレーをしたくなって予約をし、プレーをして改善点を発見してレッスンに通う…。そういったゴルファーのライフスタイルに寄り添い、点ではなく線でサービスを提供しているのが我々の強みです。“ゴルフ専業”のサービス企業として、「そこまでするのか」を追求し続けることが強みにつながると考えています。

――ユーザーエクスペリエンスの向上のために部門として力を入れていることを教えてください。

現在取り組んでいるのが、「効率的購入」を研ぎ澄まし、「体験的購入」を促進していくこと。GDOショップでは前述の通り、新品約12万点、中古品は約4万点を取り揃えていて、商品数が多いためにお客さまがほしいものに最短ルートでたどり着くことが難しくなってきています。

検索の利便性向上やレコメンデーションの充実を通じて、より少ない画面遷移でお客さまがほしいものを見つけられる状態を目指したいと考えています。例えば、現在GDOショップでは、ポロシャツだけでも1,500商品を揃えています。にも関わらず、絞り込み検索で条件を指定しすぎると検索結果が0件になってしまうことがあります。

たくさん商品を仕入れていても、お客さまに何もおすすめするものがない、というのは良くない状態だと考えていて「この条件に完全に一致するものは現在ないですが、似たような商品でこちらはいかがですか。」というようなレコメンド機能の充実を実現し、より「リアルな接客」に近づけていきたいと考えています。

また「体験的購入」という観点で言うと、今までは「大手量販店でクラブを触ってみて、打ってみて、気に行ったらGDOショップでお買い上げいただく」というお客さまも多かったのですが、これからはGDOショップでもこの「クラブを触ってみて、打ってみて」という“体験”の部分を強化していこうと思っています。

もちろんインターネットなので、お客さま自身の試打はできませんが、動画を使ってクラブ別の打感やシャフトによる違いなど、より商品について表現力高くお伝えすることで、お買い物体験をもっと便利で楽しいものにしていきたいと思います。

――まだまだゴルフ用品市場では、専門店や量販店が強いと言われていますが、差別化で工夫していることはどんなことですか。

GDOは昨年、倉庫を増床しました。通常、小売の世界では「在庫過多は悪」だといわれています。しかし、私たちの考えは、在庫切れでお客さまをがっかりさせてしまうことのほうが悪だと考えています。ですから、在庫がないという状態を作らないようにしています。また、ECには棚という概念がありません。リアルの店舗ではどうしても床面積の制限があることで、スペースを取る商品を数多く置いておくのは難しいのですが、フルラインを揃えられるのはインターネットの強みだと思います。

特にキャディバッグというのは非常にスペースを取るので、せいぜい置けたとしても数十本が限界ですが、GDOショップは常時500種類を取り揃えています。

2017年、GDOショップはキャディバッグ年間販売数過去最高を記録し、販売個数約22,000本、積み上げると富士山8個分にもなる量でした。こうした「フルラインを揃えている」「在庫切れでがっかりさせることがない」という品揃えの豊富さがGDOとしての圧倒的な強みだと考えています。

また、2017年7月からは「DUFL Golf (ダフルゴルフ)with GDO」というサービスをDUFL Japan(https://www.dufl.com/ja/)さまと提携のもと、開始しました。お客さまのゴルフ用具一式を専用の倉庫でお預かりし、アプリで指定された場所、時間に届けるというもの。

大きなゴルフ用品を自宅で保管する手間や持ち運ぶ煩わしさを軽減するとともに、ギアメンテナンスのプロがクラブやシューズをクリーニングし適切に保管しておいてくれるというクラウドクローゼットサービスです。

さらにGDOのショップで購入いただいたものをお預かりしたキャディバックに直送するサービスも開始しました。このように、多くの在庫から好きなものを選び、お客さまの手間を省き、好きな場所に届ける環境がより整備されていく予定です。

ECでは、なかなか実現しづらい試打に関しても「DUFL Golf with GDO」ご利用ユーザーさまには、定期的に新作の試打クラブをバッグに追加しておき、ゴルフ場で実際に打っていただいて気に入ればそのまま購入でき、さらに古いクラブもそのまま弊社で下取り可能、というような流れも考えています。
このように、「買って終わり」「売って終わり」ではなく、中長期的にお客さまとコミュニケーションが取れるような状態を目指しています。

――ゴルファーの高年齢化が進みゴルフ人口が減少していると言われていますが、今後どのような施策を考えていますか。

ゴルフ人口が減り、人々が物を買わなくなったと言われる厳しい状況の中で今後どうECを育てていくか、GDOがゴルフビジネスの会社として何をしていくか、それは大きな課題です。これからは若い世代の方々にゴルフに触れ、ゴルフを始めてもらうこと、シニアの方に無理なく長くゴルフを楽しみ続けていただくこと、その2つを同時に対応していく必要があります。たとえば前者については、GDOでは「KIDS GOLF(キッズゴルフ)」というジュニア向けレッスン事業の子会社を持っていますが、「3世代ゴルフ」と銘打ち、親子三代でゴルフをプレーできるような機会を創出し、未来のゴルファー育成にも努めています。

また後者の話をすると18ホールを回るのが体力的に厳しいご年配の方に向けて、ラウンドアシストできるようなカートやツールを考えていきたいと思います。例えば半自動運転の一人乗りカートなどを開発できれば進行も早くなりますし、体力的にも楽ですよね。プレーの進行が速くなれば、ゴルフ場にとってはスタート枠を増やせることにもつながり、売り上げをもっと上げることが可能になってきます。こういった「ゴルフをする人たちだからこそ、気がつけるサービスをつくりたい。」というのが私の想いです。“ゴルフ専業”だからこそできる、思いつく。ゴルフにまつわるすべてのステークホルダーに対する価値提供は、GDOのような会社でなければできない、そう思っています。