LOADING...

CLOSE

【石坂信也のゴルフ未来日記 Vol.1】製品もサービスもオーダーメイドする時代へ。十人十色のゴルフを実現するために

近い未来「自分固有のサイズ」に合わせた服が“だれにでも”買える時代が来るのかもしれない、と思わせるニュースが増えた。ゴルフの世界にも、服と同様に“総オーダーメイド時代”の波がきている。スコアレベルやプレースタイル、性別や年齢、体型、筋力や体力――といった人それぞれの複数要素に合った上達法や道具があれば、ゴルフはもっと楽しくなるに決まっているからだ。「十人十色のゴルフ」を実現するために、私たちGDOはこれから何をしていくのか。代表・石坂にいま考えていることを聞いてみた。


石坂 信也(いしざか のぶや):三菱商事に10年間在職した後に独立し、2000年5月 (株)ゴルフダイジェスト・オンラインを設立。代表取締役社長就任。ゴルフ総合サービス企業として、ゴルフビジネスとITを組み合わせた事業モデルを積極的に推進。2004年東証マザーズを経て、2015年9月東証1部上場。月間総ビジター数1900万人超、現会員数は350万人を突破。 1966年12月10日生まれ。成蹊大学卒。ハーバード大学MBA取得。

――GDOは、2000年に創業してから今年で18年目。インターネット事業を中心に成長し会員数も350万人となりました。次なるステップを目指して、海外・新規事業にも力を入れていますが、最近の関心事や注目している業界動向などについて教えてください。


2012年からアメリカ No.1のゴルフレッスンチェーン「GOLFTEC」を運営するGolfTEC Enterprises LLC(本社:米国コロラド州)と業務提携し、(2018年7月に60%の株式を取得し子会社化)日本での事業を拡大してきていることもあって米国へ足を運ぶ機会が圧倒的に増えました。特に、ゴルフとITのメッカでもある西海岸の都市へ頻繁に足を運んでいますが、日本と米国を行き来する中で感じていることは、「小売業界の大きなうねり」です。従来型の小売業が崩壊して、店頭というリアルの場での体験とインターネットでの購買が有機的に結びついて新しい買い物のカタチが生まれ、ものすごいスピードで成長している。それは、ゴルフ業界にとっても無視できない流れとなっています。私はいま、「究極の体験型ストア」をゴルフという軸で実現したい、そう思っているんです。

 

――「究極の体験型ストア」というのは、どういうことですか?


創業からこれまでインターネットサービスを主として事業運営してきた私たちですが、「リアルのタッチポイント」の重要性は常に意識をしています。その側面から中古用品販売店やイベント・競技なども手掛けてきましたが、さらなる顧客接点の強化という意味でレッスンスタジオを持つという決断をし、始めたのが「GOLFTEC by GDO」です。対面でお客さまに接する場があるというのは、ゴルフに関する総合コンサルティングができるということだと思います。

レッスンを通じてゴルフの技術に関するアドバイスを行い、そのコーチがお客さまのレベルやスタイルに合ったクラブをフィッティングして選び、スタジオから注文することができる。自分に合ったクラブを選ぶのは意外と難しいものですが、ふだんのレッスンで自分のスイングの特徴を熟知しているコーチと相談しながら決められれば、安心して「正しい」と信じられる道具を選ぶことができます。さらには、私たちが正規代理店として販売しているゴルフのIoTデバイス「Arccos 360」をクラブに装着してプレーをしていただき、レッスンで習ったことが実際のラウンドでも再現できているか振り返るツールとして利用していく。

そうすれば「レッスンではできていたのに、スタジオを出た瞬間にできない!」ということもなくなり、真の意味での上達をお手伝いすることができると考えています。このようなゴルフに関するさまざまなソリューションを取り揃え、「ここに来ればゴルフのすべてがそろう、究極の体験型ストア」を創っていきたいのです。


GOLFTECを「ゴルフのすべてがそろう、究極の体験型ストア」の実現への足掛かりとしたい


 

――アメリカでもクラブフィッティングの市場は伸びていると聞きます。小売界全体においても製品やサービスの「オーダーメイド化」が進んでいることと関係がありますか?


これを「オーダーメイド」というのかわかりませんが、アメリカのゴルフ業界では日本よりもかなり早く「在庫を大量に確保して売っていく」スタイルから「受発注型で販売していく」という売り方にシフトしていました。その中で小売店が「レッスンしてフィッティングして販売する」ことを重要視し始めているのは事実です。だからこそ、私たちもインターネット販売だけではダメだという気づきがあって「ネット屋の我々がリアルの店舗を持つ」そのことで、さらに提供できるサービスの幅が広がるという確信につながりました。ゴルフクラブは近年、ヘッド、シャフト、グリップなどのパーツを組み合わせて、カスタムクラブを作ることが一般的になってきている流れも生まれています。

そうやって選択肢が増えているのは、「十人十色のゴルフ」を実現できる手段が増えているということでもあります。リアルの接点で技術向上のアドバイスとともに個々人に合った道具選びを部品一つひとつからお手伝いし、ゴルフの上達、楽しみを一段上に上げていきたい。リアルとインターネットの融合でさらなるサービス拡充を図りたい。私が目指す「すべてのゴルフスタイルが正解で、人それぞれに楽しみ方がある」という世界の実現に向けて、一歩一歩進んでいる途上です。


シャフトやヘッドなどのパーツを店舗に揃え、フィッティングができる環境を整えている



――「すべてのゴルフスタイルが正解で、人それぞれに楽しみ方がある」というのは具体的にどんなことなのでしょうか?


米国には世界的に有名なゴルフ場が数多くありますが、実はパブリックコース(一般に公開されている、会員制ではないゴルフ場)というところが多いんです。例えば、トーリー・パインズ(カリフォルニア州サンディエゴの代表的なゴルフコース)も、その一つ。PGAツアーのトーナメント(「ファーマーズインシュランスオープン」)が開催される名門コースですが、普段はみなジーンズを履いてプレーしていますよ。

一方で、日本では1970年代から80年代のバブル期に、接待などをはじめとしたビジネスユースでのゴルフが台頭しました。今でも「接待ゴルフ」という言葉は残っていて、中には眉をひそめる人もいますが、僕はそれも一つのゴルフスタイルだと思っています。

会員しか入れない名門コースでドレスコードをきっちりと守ってするゴルフも、河川敷のコースをバッグを自ら担いでプレーする気軽なゴルフもどちらも正解で、どんなスタイルであってもゴルファーであるすべての方々がGDOのお客さまです。私たちは一つのゴルフのスタイルを押し付けたくない。そう思っています。「正しいゴルフ」なんてものはないと思うし、ゴルフの多様性をまだまだ僕は信じています。伝統と多様性は二項対立ではない、両立し、共存し得るものだと思うのです。あらゆる機会を通じて、もっともっと「十人十色のゴルフ」を追求し、さまざまなゴルフスタイルを提案し続ける企業でありたい。それが私の、今も昔も、たぶんこれからも、変わらぬ考えです。

(文:Golf Links the World編集部/星 写真:筒井義昭/角田慎太郎)

GOLFTEC by GDO[ゴルフテック]上手くなるゴルフレッスン

【石坂信也のゴルフ未来日記 Vol.2】はこちらから。

「GDOで働く」ことにご興味のある方は、こちらから。