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湘南・茅ヶ崎で目指すゴルフ場の“あたらしい”――「GDOベース」構想のいま

2020年春、GDO(ゴルフダイジェスト・オンライン)による茅ヶ崎ゴルフ倶楽部の運営がスタートした。創業以来、インターネットを使ってゴルフの総合サービスを展開してきたGDOだが、コース運営に乗り出すのは初めてのこと。地元・茅ヶ崎市民をはじめ多くのゴルファーに愛されてきた9ホールのシーサイドコースで、なにを成し遂げようとしているのか?「ゴルフ場の“あたらしい”」を掲げて責任者に就いた茅ヶ崎事業準備室の伊藤修武に話を聞いた。


―― 創業から20年、ユーザーとゴルフ場をつなぐ仲介者としての役割を果たしてきたGDOが、いままで手をつけてこなかったゴルフ場運営に乗り出した経緯を教えてください。
 


GDOは「インターネットを通じて、ゴルフに必要な変革をリードする」という理念を掲げ、2000年に創業しました。その言葉通り、ゴルフの“あたらしい”を創造する姿勢を大切にしています。ただ、昨今のゴルフ人口減少や若年ゴルファーのエントリー不足といった課題を考えたとき、GDOとしていったい何ができているのか?売上に直結しなくても、もっとやっていくべきではないのか?という考えが社内でも強くなっていました。

そのような話をしていく中で、新しい施策や取り組みを行う“場”となるアセット(資産)が非常に少ないという壁にぶつかったのです。GDOは約2,000のゴルフ場とお取引をさせていただいています。我々がなにか新しいことをする場合、それらを理解いただけるゴルフ場を探して、実施のお願いをする必要がありました。ただし、ゴルフ場もビジネスですから、業界貢献や新規ゴルファー創造といっても、通常の売上を脇に置いてまで受け入れてもらうことは簡単ではありません。

 

自身も年間80ラウンドを回るヘビーゴルファー。理想のゴルフ場実現にまい進中だ


結局、世の中に新しい試みを発信していくには、我々自身がリスクを取り、みずからの意思でチャレンジする必要があるという結論に至りました。これからの取り組み発信基地――最近では「GDOベース」と呼んでいます――を探しているとき、神奈川県による茅ヶ崎ゴルフ倶楽部の運営事業者公募がありました。非常に良いタイミングだったというわけです。

「理想のゴルフ場」を追求していくためには、立地が大変重要でした。茅ヶ崎ゴルフ倶楽部は都心から1時間強でアクセス可能でありながら、海も山もある自然豊かな土地です。サザンオールスターズゆかりの地で、湘南でも特にローカル色が残る面白い地域でした。これ以上のロケーションはないと感じ、公募に手を挙げさせていただいたのです。

 

――念願かなって手にした「GDOベース」で、まずは何に取り組んだのですか?


ゴルフのカジュアル化と多様化です。ゴルフの伝統やその周辺で形成されてきた文化は大切に考え尊重していますが、若い人たちにもっと気軽にスポーツとして楽しんでもらいたい。具体的には、9ホールをメインとした運営、ドレスコードフリー、完全セルフ化。今後は1人ラウンドも可能にしようと思っています。ここ茅ヶ崎なら「Tシャツ、海パンでプレー…最高じゃないか!」とも思っています(笑)。

 

手引きカートを押し、Tシャツ・短パンで。日本で気軽さNo.1のゴルフ場を目指す



―― ゴルフのカジュアル化、多様化でなにが変わるのでしょう?


私たちはゴルファー数と一人当たりの年間ラウンド数の掛け合わせである「年間総ラウンド数」を大切な指標と捉えています。この数字を増やすには、ゴルファー人口か、一人当たりの年間ラウンド数をアップさせる必要がありますよね。ゴルファー増については各所でさまざまな取り組みが行われていますが、ラウンド頻度を増やす策は意外と実践されていません。

これまで「(当日)午後からプレーしたい」、「一人で気軽にプレーしたい」などの隠れたニーズが潜在化したまま消滅していることが多々あったと考えています。そうした需要を掘り起こすには、場所と機会が必要です。茅ヶ崎ゴルフ倶楽部は9ホールですから、日常の空いた時間でサクッと回れる。こうして眠っていた1ラウンドを顕在化させ、年間総ラウンド数を増やしていく。こうしたことが、業界活性化の一助となるのではないでしょうか。

これまでは固定観念が強く、王道以外の選択肢がなさ過ぎたように思います。ここで実現したいのは、あらゆるゴルファーに対して、それぞれに合った選択肢を提供すること。ですから、成果が出たことはどんどん発信していきます。茅ヶ崎ゴルフ倶楽部がひとつの“ショーケース”として、他のゴルフ場の参考になればうれしいですね。

 

キックボードでコース内を見回り。運営者自身も、常にカジュアル・身軽に



―― 今後はどのような展開を考えていますか?


先日、ご来場された方から「ショートコースかと思って来たけど、なかなか難しい本格的なコースで意外だった」というお言葉をいただきました。9ホール運営だからか、易しいイメージがあるのかもしれませんが、バンカーは難しく、パー5もしっかりと距離があります。コース設計は名匠・上田治で、中上級者の方にも満足していただけると思います。今後は、GDOが運営しているアマチュアトーナメント(GDOアマ)の9ホール競技開催も視野に入れ、真剣勝負の舞台にもなれることも伝えていきたいですね。

新型コロナウイルスの影響もあって、最近は神奈川県内在住のお客さまの比率がさらに上がって、予約傾向も直前かつ少人数にシフトしています。そうしたニーズにどこまで対応できるのかチャレンジします。まず実施予定なのが、1人保証のラウンド。「1人で回れて、かつ2球打ってもOK」というプランを計画しています。また、コースがフラットなので一人用電動カートでフェアウェイ乗り入れを導入すれば、お客さまの層も広がる可能性があるのではとも考えています。

さらに、「ゴルフをするだけではないゴルフ場」の形も模索していきたい。茅ヶ崎ゴルフ倶楽部は、もともと広域避難所として指定されていたこともあり、ゴルフをする・しないに関わらず、地元のみなさんに親近感を持たれています。その特長を生かして、もっと地域に開いた場所にしたいと思っています。ドッグラン、ヨガ、ランニングスポットとしての利用やワークショップ開催など、ゴルフ以外のアクティビティも楽しめるよう検討中です。ゴルフ場が近くにある暮らしの“あたらしい”をいくつ提供していけるのか、私たち自身も楽しみでワクワクしている挑戦領域ですね。

 

―― これまでにないゴルフ場になりそうですね。


コロナ禍を通じて進んだハーフラウンド、スループレー、そして少バッグ化の流れは、今後さらに加速すると考えています。「GDOベース」のコンセプトの下、どうすれば、より良くそのニーズに応えることができるのか?それを地域のみなさんと共に追求していきたいと思っています。既成概念を取り払った先に生まれるゴルフ場の“あたらしさ”を、この茅ヶ崎ゴルフ倶楽部を通じて“当たり前”にしていくことを目指しています。

 

ゴルフをもっと気軽に、身近に。「GDOベース」の世界観を茅ケ崎から発信する


(文・田村一人 写真・角田慎太郎 構成・Golf Links the World編集部)

 

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