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「ゴルファー創造」における、たったひとつの答えとは

ゴルフをリタイアする人の分、ゴルフを新たに始める人の数は増えていない。ラウンド数自体は減っていない、と言われているが、このまま指をくわえてゴルファーの減少と高年齢化を見ているわけにはいかない。そんな気持ちに駆られてゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)が始めた「ゴルファー創造プロジェクト」。その第一弾企画である大学ゴルフ部と共催した「ゴルフ体験イベント」の一日をレポートする。



「あっ、飛んだー!って、嬉しくなりました」そう話すのは、芝浦工業大学ゴルフ部とGDOが共催したゴルフ体験イベントに参加した同校2年生の中村さん。クラスメイトのゴルフ部員に誘われて、はじめてのゴルフ体験をした。


はじめてのゴルフ体験をした中村さん(大学2年生)


何度も何度も空振りをして、地面を叩いて、どうしてこうも“はじめての人”に意地が悪いのか、ゴルフは。と、思った頃を思い出してほしい。「みじめだ・・・」と思う瞬間ばかりの“はじめてのゴルフ”で一筋の希望が見えるとき、それはクラブが球にうまく当たって、遠くへと飛んでいく瞬間だ。「できた!」と思う一瞬の積み重ねは、やがて人を熱狂させ、もっと上達したいと思う気持ちを生み出す。

そんなゴルフの“はじめの一歩”を後押ししたい、と2017年から「ゴルファー創造プロジェクト」を始動したGDO。第一弾の企画は、大学ゴルフ部と共催し、大学生ゴルファーの「はじめてゴルフ体験」をサポートするイベントだ。


ゴルフ部の学生が未経験者にアドバイス


今回は芝浦工業大学のゴルフ部員が、クラスメイトなどゴルフ未経験の友人をそれぞれ誘って、部員が初心者をサポートしながら、練習場でのレッスンから9ホールラウンド体験を行うというもの。参加者すべてが大学生というゴルフイベントは業界でも珍しく、同じく若者ゴルファーを増やしたいという想いを持つゴルフ場、鹿沼72カントリークラブに協力を得て、2017年11月に開催が実現した。

鹿沼72カントリークラブの支配人である小島正樹氏はこう語る。「当コースでは、若いゴルファーのすそ野を広げたいという想いからさまざまな取り組みを行っています。たとえば、5年前から開催している“ごるふぁみふぇすた”というイベント。これは、まずはゴルフ場という場所に来ていただきたい、ということで、1ホールを開放してさまざまなレクリエーションを実施し、ファミリーで楽しんでもらうという企画です。

また、若者ゴルファー向けに『U35プラン』という料金体系の展開。これは35歳以下の方に限り、入会金10,000円(4人までのグループ入会も可能で、その場合入会金は折半ができる)でプレー料金は、平日3,500円・土日祝5,500円(食事・税込)と、かなりリーズナブルな価格設定で会員になることができる制度です。(※現在は定員に達したため募集停止中)

このように、若い方にもっとゴルフをしていただく機会を提供するということは以前より積極的に取り組んでいますので、今回の大学生向けゴルフ体験イベントは非常に共鳴するところがあり、協力させていただくことになりました」


若者ゴルファー創造に積極的に取り組む鹿沼72カントリークラブの小島支配人


午前中は、そんな同コースの支配人であると同時にティーチング・プロでもある小島氏のマナー講習とゴルフレッスン。昼食を取ったあと、午後は1組につき1、2名のゴルフ部員が入って未経験者をサポートする体制でハーフラウンドへ。


オナーの決め方を習う、初心者ゴルファーたち


「もう打っていいの?」「ここから打っていいよ!」「ポケットがない服着てきちゃった・・・」「俺のバッグに入れときなよ」不安げな表情を見せる未経験者たちを頼もしくサポートするゴルフ部員の学生たちは、どこか少しうれしそうだ。とても1年や2年レッスンを受けただけでは追いつけないだろう飛距離を見つめるクラスメイトの尊敬の眼差しを照れくさそうに受け取る。


さすがのゴルフ部。スイングが違う


さまざまなハプニングも起こりつつ、すべての組のラウンドが終了。はじめて振り回すゴルフクラブに翻弄されたのか疲れも見えたが、なんとかやりきった!というような表情でクラブハウスに戻ってきた学生たちは、和気あいあいと楽しそうだ。


ゴルフ部2名と初心者2名でハーフラウンドを回った


締めのあいさつを終え、すべてのプログラムが完了した後、今回のイベントを中心となってリードした主将の佐藤君に話を聞いた。

「はじめてゴルフをする子ばかりだったので、どう説明したらいいのだろうと迷ったり、僕たちにとって当たり前のことが当たり前ではなかったり、戸惑うことも多かったのですが、『また、こういうイベントないんですか?』とか『久しぶりに体を動かして楽しかった』などと言ってもらえて、やってよかったなと思いました」と、すこしホッとした顔で話してくれた。


芝浦工業大学ゴルフ部主将の佐藤君(3年生)。このイベントの運営をリードした


そんな佐藤君も、両親の勧めでゴルフを始める前は「つまらなそうなスポーツだな」と思っていた。しかし、ゴルフ部に入部し、しばらく経ったある練習の日に「OBからのチップインパー」をした。その時から、ゴルフの魅力に目覚めたのだという。

ゴルファーの減少と高年齢化。ゴルフ業界関係者であれば、だれもが直面する喫緊の課題で、だれもが解決策に頭を悩ませている現状だが、打破する方法は意外とシンプルなのかもしれない。

佐藤君は最後にこう言った。「やっぱり一番うれしいのは、いいショットを打てたとき。『ナイスショット!』と言われたら、『よっしゃ!』と思っちゃいます」昨日までできなかったことができた瞬間の輝かしさは、いつも人間を魅了する。「いいショットが打てた」その喜びをまた感じたい。そう思ってもらうこと、それが「ゴルファー創造」におけるたった一つの道筋なのだろう。

(文:Golf Links the World編集部 写真:角田慎太郎)

 

■イベント開催協力:

鹿沼72カントリークラブ

所在地:〒322-0526栃木県鹿沼市楡木町1475  TEL:0289-75-2111

栃木県鹿沼市にある本格的な45ホールのゴルフ場。東北自動車道【鹿沼 I.C】からも、北関東自動車道【都賀 I.C】からも、わずか15分という好アクセス。小高い丘陵地にあり、周囲を見渡すと、遠くに日光連山を望みながら、どこまでも広がる関東沃野のパノラマビューが望める。

芝浦工業大学 ゴルフ部

同大学体育会の部活動の1つ。現在の部員数は25人(内、女子2人)。顧問の浜野学教授(共通学群体育・健康科目)のもと、豊洲、大宮のそれぞれに分かれて放課後週に2回、大学近くの練習場でショットの練習にいそしむ。今回、GDO初の大学生向けゴルフ体験イベントに運営協力をいただいた。