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スノーゴルフが役立った!? リピーターが語る「北国冬ゴルフ」の意外な効能

「雪でゴルフ場がクローズして、プレーができない」――。豪雪地帯在住のゴルファーならではの悩みは、北国以外にお住いの方には伝わりきらないかもしれない。が、なにせ自然の力は強大だ。ゴルフ専業企業のGDO(ゴルフダイジェスト・オンライン)は、この課題に次のような回答を出してみた。「だったら雪の上で、ゴルフしちゃえばいいじゃん」。日本におけるスノーゴルフ(※当時の名称は、ウィンターゴルフ)は、2016年にこうして始まり、今年で4年目を迎えた。

当初は1コースだけだった開催地も、4年目の今回は3コースに増えた。2019年の初回開催は“GDOスノーゴルフ美唄大会”。エントリーしていただいた参加者の多くは、地元の北海道美唄市のゴルファーだった。プレーを経験したことがある人、切実なニーズがある人には好評をいただいているが、その魅力はまだ日本全国にまで伝わっていないという実態だろう。実際にプレーをしなければ分からないスノーゴルフの魅力をより多くのゴルファーに伝えるべく、Golf Links the World編集担当は今回、一般参加者の組に参加させてもらった。

 




【動画】スノーゴルフ2019の模様。史上初の「夜のスノーゴルフ」にも注目


「今日はよろしくお願いします!」。少し緊張気味に挨拶をすると、「初めてのスノーゴルフなんだって?よろしく!」と気さくに返事をしてくれたのは、今年で3年連続の出場となる地元北海道在住の会社員・畑原秀樹(はたはら・ひでき)さん(46)。畑原さんは、今年の春から中学3年生となる息子の大輝(ひろき)くんと、知人の酒井智康(さかい・ともやす)さん(45)とともに毎年スノーゴルフに参加している、いわば“ヘビー”スノーゴルファーだ。昨年は、この美唄大会だけでなく、津軽海峡を越えた青森県鰺ヶ沢町にある青森スプリング・ゴルフクラブ大会にも参加したほどのハマりぶりという。スノーゴルフの何が、それほどまでに畑原さんを掻き立てるのか? ラウンドをしながらの会話が楽しみになってきた――。


スタート前の記念写真。酒井智康さん、畑原さん親子、そして編集担当(写真左から)


まずは、ティショット。経験豊富な畑原親子は無難にナイスショットを放ったが、筆者の記念すべき第1打は大きくスライスしていった。「足元が滑っていたね。ティショットは、なるべく滑りづらそうなライを見つけるのがポイントだよ」と、畑原さんからのアドバイス。この日のために購入した新品のスノーブーツを履いてはきたが、舞台は慣れない雪の上。油断していると途端に足をすくわれる。しかし、雪の難しさこそがスノーゴルフの面白さのひとつ。通常のラウンドであれば落胆するミスショットでも、雪が原因と分かっているせいか、不思議と笑顔になってしまう。非日常的な環境でゴルフをしているという体験は、普段と異なった感情を生み出し、周囲も巻き込みながら楽しさを加速していくようだ。


初心者の筆者のラウンドをサポートし、熱心にアドバイスをしてくれる畑原さん


数ホールの後で「スノーゴルフにこれだけ何度も参加してくださるのは、なぜでしょうか?」と、筆者は畑原さんに本命の質問を問いかけた。そして、その回答に舌を巻いた。「北海道のゴルフ場は大体11月頃から翌年の4月頃までクローズしています。この期間は練習場でしかゴルフができないのが悩みでした。やはり練習場だとダフってもソールが滑ってインパクトできるし、ラウンド感覚はどんどん鈍っていきます。その点、スノーゴルフはクリーンなインパクトが出来なければ思い通りの球が打てませんし、雪上でのラウンドは常に悪いライからのショットになります。だから、スノーゴルフは絶好の練習だと思って出場しているんです」。スノーゴルフ大会でしか体験できない非日常性を心から楽しみながらも、春になって芝の上でプレーする際のスキルアップを頭にイメージしていたのだ。あえて厳しい環境下でのプレーに慣れることで、インパクトの精度やラウンド感覚を研ぎ澄ましていくことができる――制約の多い地域に住むゴルファーならではのエンジョイ思考は、筆者の当初の想像を完全に超えていた。


スノーゴルフならではの手引きカートを使ってセカンド地点に向かう


さらにホールを重ねる中で、愛息のプレーを見守る畑原さんからは「年頃の息子を持つ親としては、勉強や部活で忙しくなっていく彼らと過ごす時間は減るものと覚悟していました」と意外なスノーゴルフエピソードも聞くことができた。「でも私たちはゴルフという共通の趣味があり、シーズン中には月1,2回は息子とラウンドに行っています。でも冬には、息子と過ごせる貴重な時間がすっぽり空いてしまう。こうしたイベントを開催してもらえることで、だんだんと親離れしていく息子との時間が少しでも多く取れる。嬉しく思っています」と笑顔で感謝されてしまったのだ。恐縮したのはもちろんだが、「だったら雪の上で、ゴルフしちゃえばいいじゃん」と、当時としては「?」な発想に協力してもらえるゴルフ場探しから始まったスノーゴルフで、まさかこうしたストーリーが生まれているとは本当に思いもよらなかった。


スノーゴルフの締めくくりで、日没後にはBGMに合わせて165発の花火を上げた


雪の多い地域に住む人たちが長い間抱え続けてきた「冬でもゴルフができたら」という想い。それに応えようとがむしゃらに頑張ってみたら、「これがなかったら得られなかった体験」と語ってくれる人が現れた、というちょっとファンタジックなお話は、雪の中ということもあって心にしみた。一方、筆者も畑原さん親子とスノーゴルフをともにできたことで、ゴルフのさらなる魅力に気がつくことができ、新たな活力を得させてもらった。

『ゴルフで世界をつなぐ』をミッションとするGDOは、これからもゴルフの楽しみ方に関する創意工夫を続けていく。そして、来年以降のスノーゴルフでは、北の大地ならではのゴルフ体験がより多くの人に広がっていくことを願っている。

(写真・角田慎太郎 文・Golf Links the World編集部/谷)

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